未熟な甲虫の呟き

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魔術の詠唱についてとか諸々

 ツイッタにて、フォロワさん達が創作における魔法の呪文について興味深いやり取りをなさっていたので、そのtogetterのご紹介と、それに触発されて自作についてつらつらと呟いてみたことをまとめておきます。
 途中、話題にお付き合いくださったダイスケさんのツイートも、許可を得て一緒にまとめさせていただきました。


.@bot75317158 さんの「魔法の詠唱談義」をお気に入りにしました。 togetter.com/li/966484

そういや、今のところ私は自作に「詠唱」そのものを登場させてないなあ。魔術が登場するシリーズは二つあるけど、それぞれ違う理由で描写してない→
posted at 2016/4/24 11:01:46

→黒の黄昏およびその周辺の物語では、魔術のコツを掴んだ(魔力を練ることができる)人間が古代語を触媒にしてちからを使うんだけど、正しくちからを発動させるためには古代語を精度よく扱わなくては行けなくて、それを他人が「きちんと聞き取れるわけがない」という理由で、文章には書かなかった。→
posted at 2016/4/24 11:08:04

→連載中に「呪文を登場させてほしい(意訳」って感想をいただいたこともあったけど。耳慣れない異国の言葉の音を羅列するのも風情が無い(ていうか作者が面倒w)し、舞台世界の言語に訳するのは登場人物的に「それはちょっと違う」って思ったし、悩んだ挙句に呪文の名前だけ出すに至ったのだった。→
posted at 2016/4/24 11:18:31

→そうそう、呪文以外に手指も動かす必要があってな。 「ザラシュは黙って印を組み始めた。シキも、レイも、見たことのない形の印を。/ 彼の紡ぎ出す言葉は、シキ達の知るどの呪文とも違っていた。朗々と響き渡る低い旋律は、唄のように、皆の耳を優しくくすぐって大気中に拡散していく。」って。→
posted at 2016/4/24 11:31:46

→魔術によく似た精霊使いの技に至っては呪文どころか、「詩《うた》」つって、もはやヒトの「言葉」の範疇を越えた「音の並び」って設定なので、当然のように「詩《うた》が風に乗った」みたいな感じで、やはりそのものを描写してないし。いや、さすがにこればっかりは描写のしようがない気がして。→
posted at 2016/4/24 11:42:45

@typ1 このあたり、自分としては魔法の乱用が文明に与える影響を考えてしまうのですよね。そんな便利なら、みんな使うに決まってるじゃん!と。そうすると道具の形からして違うような気がして・・・
posted at 2016/4/24 11:46:29
@boukenshaparty1 そこで、前述の物語世界では、「魔術を練る能力」の有無や力量で使用者が制限されてしまっているのでした。あと、古代語ムズカシイ! きちんと扱えない! みたいなw 道具の発展に影響があるのは当然ですよねえ。ウチでは火薬や通信網の発達が阻害されてます。
posted at 2016/4/24 11:52:08
@typ1 自分の場合は教育が必要(社会的身分で独占されている)+高価な触媒が必要(経済的にペイしない)という二重の縛りをいれています
posted at 2016/4/24 11:54:24
@boukenshaparty1 やはり、そのあたりの「縛り」に落ち着きますねえ。習得の困難さと、使用の際の不自由さ。なるほどです。
posted at 2016/4/24 12:09:46

→紅玉とか炒り豆は黄昏と同じシリーズだけど、魔術が舞台の小道具とか刺身のツマ状態なので、仮に黄昏で呪文を登場させていても、物語の主題が拡散しないように、それらの話では呪文の描写を省いただろうなあ、とか。→
posted at 2016/4/24 11:48:54

→で、もう一つのシリーズである九十九の黎明では、そもそも呪文が「存在しない」。神と契約して一心同体、みたいな。これ、次の次の章で「術を使うというのは、なんというか、頭の後ろから生えている三本目の腕を動かすみたいな感じ」って台詞を出す予定です(ここでまさかの予告w)
posted at 2016/4/24 11:57:45

@typ1 中世世界のリアル設定と折り合いをつけようとすると、どうしても限られた人間の超能力、というところに落ち着きますよねえ。わかります。
posted at 2016/4/24 11:59:50
@boukenshaparty1 そうなんですよねー。超能力。九十九が中世で、もう一つのほうが近世~近代なので、九十九のほうがより原始的な魔術のイメージなんです。ぼんやりとでも伝わっててヨカッタ!\(^^)/
posted at 2016/4/24 12:13:44
@typ1 いつか魔法使用が自由な世界というのを考えてみたいですね。なんか人類の形をしていない気もしますけど。
posted at 2016/4/24 12:11:13
@boukenshaparty1 面白そうです! 人類の形……あれですね、未来人の予想図で文明が進みすぎたせいで手足が退化して頭部がでかくなって……ってあれ。
posted at 2016/4/24 12:17:17

.@bot75317158 さんの「魔法詠唱談義 その二」をお気に入りにしました。 togetter.com/li/966985
posted at 2016/4/25 09:10:47

.@mizunotori さんの「最近のラノベ系ファンタジーには「呪文」が少ない?」をお気に入りにしました。 togetter.com/li/137696
posted at 2016/4/25 09:28:10


 呪文の文言を描写すれば、魔術をかける行為そのものに読者の視線を集められるし、劇的な演出にも使えるだろうし、何より上手くハマればカッコイイじゃないですか。分かってるんだけど、分かってるんだけど……、ウチの呪文、長いんですよ。旋律付きだし。
 そういうわけなので、当分は、読んでくださった方の想像力におすがりするつもりです……。

 最後に、自作の魔術がらみのアレコレを、ネタバレにならない範囲で貼りつけておきますねー。

「古代ルドス王国以前、魔術といえばそれは全ての神聖魔術のことを指し示した。アシアスだけではない、もっと沢山の神々に人々は祈りを捧げ、その祝福を受けて暮らしていたのだ。
 そもそも、精霊使いの技と神聖魔術は根が同じだ。現象を司る神に祈って加護を受けるか、物質に宿る精霊に頼んで効果を得るか、ただそれだけの違いなのだ。解るかね?」
  (中略)
「そういう意味では、古代ルドス魔術は実に特殊なのだ。前の例で言えば、精霊や神の意向を無視して、直接的に空気を動かそうというのが、古代ルドス魔術に他ならない。
 古代ルドス王国最後の王が記したとされる魔術書は、そのような、神を介しない『裏』の技だった。それをどのようにして王が知ったのかは、大きな謎だ。なんにせよ、その結果神々への信仰は薄れ、必要不可欠であったアシアスの治癒魔術以外の神聖魔術は姿を消した」
(「黒の黄昏」第十二話第二節より)

 術の練習台、などと自分本位なことしか考えていなかったおのれを恥じながら、マニはゆっくりと両手を前方に差し伸べた。同僚達のように洗練された術でなくともいい、少しでも彼の傷を癒やせたら、そう一心に祈りながら。
 空中に指で印を描きながら、「消炎」の呪文を唱えてゆく。形成された力場が、次第に指先に収束するほどに、マニの心臓は高鳴り、高揚感が身体を満たす。
 今こそ、みなぎるちからを解き放たん。マニは若者の右手にそっと触れると、術を起動させた。
(「天穹に詩う」より)

 鉱山付きの若い癒やし手が、ヤルヴェラに場所を譲ろうと立ち上がりかけて、そのままばたりと床に倒れ込んだ。恐らく、ヤルヴェラが来るまでの「繋ぎ」として、力を使い果たしてしまったのだろう。屈強な男衆がすかさず人の輪から飛び出してきて、倒れた癒やし手を担いでゆく。
 入れ替わりに、ヤルヴェラが怪我人の傍に膝をついた。深呼吸ののち、指で空中に複雑な印を編み込みながら、厳かな声で詠唱を始める。
 静まりかえる室内、どこかで誰かが小さくすすり泣いている。
 長い祝詞を詠み終えたヤルヴェラが、両手でそっと患部を撫でた。その指先から、見えないちからが溢れ出すのが、術の素養のないラグナにもまざまざと感じられた。
(紅玉摧かれ砂と為る」第四節「誰がために」より)


 呪文が存在しない、限りなく超能力っぽい魔術が出てくる「九十九の黎明」は、現在小説家になろうにで連載中です、と、ダイレクトマーケティングしておこう☆
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