未熟な甲虫の呟き

創作小説サイト「あわいを往く者」附属ブログ。(サイト掲載小説一覧書籍のご案内
   

海上保安庁測量船「平洋」一般公開 その2 (おまけ:JAMSTEC「よこすか」「しんかい6500」「うらしま」一般公開)

海上保安庁測量船「平洋」一般公開 その1」の続きです。

 第一船楼甲板の第七主任室を出て左舷側へ。途中、診療室も見学したんですが、なんでか写真が残ってませんでしたわハハハ。
 入って右手にベッド、その奥に流し台、更に奥にトイレ。左手には机、隣の医務官室(非公開)へのドア、棚。救急箱が一つ机の上にあるほかは余計なものが一切出ていない、きれいに片付けられた、清潔感ある部屋でした。

 診療室の奥、船尾側の甲板に直接出入りできる扉があるのは、緊急事態に備えてのことなのかな、なんてことを見学しながら考えていました。船内図を見ても、操舵室を除いた他の部屋には直接甲板に出られる扉はついていなかったし。海が荒れたり天候が崩れたりした際に、船内に水が入るリスクを最小限にしたいのだろう、それでも診療室には外への扉をつけたんだな、と。
 しかし、今回この記事のために上の見取り図を描き起こしていて(船内案内図の写真を拡大して使おうとしたら画像が荒らすぎた……)、診療室の外扉が、船内通路から各部屋へのドアは勿論のこと通路から甲板に出るための扉と比べても、幅が広いことに気がつきました。案内図の写真が歪んでいるというわけではなく、これは明らかに、幅が広い。
 ――アッ、これ、ベッド(ストレッチャー)を通すためのドアだ。
 なるほど確かに、診療室には外扉が必要だ、と今更ながらに納得した次第です。

 通路に戻り、左舷側の扉を通って、船尾の甲板へ。ここらでもう一度船内案内図をリンクしておきますね。

 左舷側にあるのが、黄色が鮮やかな無人高機能観測装置USV(Unmanned Surface Vehicle)。


 専用クレーン(観測室から撮影した写真の奥、中央よりやや右)で揚げ下げするそうです。

 その奥には、各種センサーを海に投下する場所があります。この写真は、やや右舷よりの位置から、左舷後方を写したもの。
 手前にあるのがセンサーを繋いだワイヤーを巻き取るための機械で、奥の白いフレームがギャロスです。使用時にはグワーと立ち上がって船の外に出っ張って、滑車でワイヤーを海中に送ります。


 階段を下りて、一階層下の上甲板へ。
 こちらは、自立型潜水調査機器AUV(Autonomous Underwater Vehicle)。一台が観測準備室に格納されていて、


 もう一台が準備室の外にレールで引き出されていました。これは、その横にあった説明パネル。

 レールの先、船尾にAUV用の投下装置がありました。平時は水平になっている装置の上に、後ろが海のほうを向くようにしてAUVをクレーンで載せ、投下操作を行えば、装置が海に向かって傾き滑り台のようになってAUVを海へおろす、ということです。
 勢いよく滑り落ちるのかと思いきや、AUVの頭は装置とワイヤーで繋げられていて、慎重に海面におろされるそうです。
 海に入るとAUVはワイヤーを自動で切り離し、プログラムどおりに自律航行で調査を行います。
 回収時は、戻ってきたAUVの頭に手作業でワイヤーを取りつける以外は、投下時の手順を逆になぞることになる、と。

 この上甲板では、AUVのほかに、海水を採取するためのCTDシステムや、浅海用音波探査装置、前の記事で触れたサメ大好き海上磁力計センサーなどが展示されていました。別にいいかなー、って思って写真に撮らなかったけど、こうやってレポをまとめることになるなら、ひととおり撮影しておけばよかったかも。いいかげんですみません。

 ていうか、今更ながらに海上保安庁のサイトを見にいったら、測量船「平洋」の搭載装備を徹底解説というWEB一般公開のページを見つけてしまいました。
 エッ、操舵室や観測室の見取り図も写真もあるやん。前の記事に載っけた観測室のメモ、本当にうろ覚えもいいところだったw 恥ずかしいww けど修正するのめんどいし、ありのままの私でいきます! 興味のある方は是非とも本家サイトを見てみてください!

(2023/10/23追記)
 この日の一般公開に参加した方のブログを見つけたので、リンクしておきます。観測室や特別公室兼会議室、診療室のほか、計測機器などの写真もとてもこまめに撮ってらっしゃって、とても充実した記録になっています。(お蔭さまで診療室の外扉が他のドアよりも幅が広いことを確認できました)
測量船平洋一般公開 ① Techno Ocean 2023
(追記終わり)

 ともあれ、普段見られないものをじっくりとこの目で見ることができて、とても楽しかったです!
 貴重な機会をありがとうございました!!

 表題の「おまけ」は、追記に。
*   *   *
 さて。
「平洋」一般公開 その1、の記事にて、ちょろっと言及した、JAMSTECの「よこすか」ならびに「しんかい6500」「うらしま」一般公開の時の写真も、ついでに以下にまとめておきます。
 2016年10月8日に神戸港で行われたのですが、当時ツイッタで写真を五枚上げただけだったので、この機会にドーンと大放出、でもキャプションは簡単にいくよ!

「よこすか」を船尾から。左にちらっと見学者の列が写っています。


 船橋への階段を上がっているところ。


 操舵室の神棚&海図用の机。神棚あるんだ。


 こんな感じで上から順に見せてもらいました。



 ↓この案内板だけ、立ち入り禁止のロープの向こうにあったため、写真がちょっと遠いです。


 見学順路にあった船内案内図はたぶんこれで全部だったと思います。全体図が見たかったなあ。


 いよいよ格納庫のある後部甲板へ。


 格納庫の一角。


 格納庫全景。


 しんかい6500の窓ガラスならぬ窓メタクリル樹脂。内径120mm、外径414mm、厚さ138mm、重量10.6kg。写真の左手前側、径の小さいほうが船内側。


 深海巡行探査機「うらしま」


 有人潜水調査船「しんかい6500」


 しんかい6500のマニピュレータ部分。


 後部甲板側から二機を振り返る。


 後部甲板の着水揚収装置。巨大なA字型クレーンで支えられている。これでしんかい6500を海におろしたり揚げたりする。写真の手前側が格納庫の出口で、向こうが船尾。


「よこすか」船内の様子ももう少し撮影したんだけど、どれも一緒に行った家族がむっちゃ写り込んでいて、トリミングも無理だしボカシ処理にも限界があるし、と、公開は諦めました。
 以上、「よこすか」ならびに「しんかい6500」「うらしま」一般公開の記録でした!


(こうなったら、同じくJAMSTECの「ちきゅう」を見学した時の写真もまとめたくなるな……。しかし、あれらは「よこすか」よりも更に古くて、デジカメのデータを探さねばならん……そしてそれが入ってる共用PCは現在故障中……)
拍手
 

同じカテゴリの記事

 

コメント

コメントの投稿

※スパムコメント対策実施中。メールアドレス及び「@」は入力しないでください。
 ブログ管理者以外には秘密にする

トラックバック

TrackbackUrl:https://greenbeetle.blog.fc2.com/tb.php/1124-26c5be89
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
 
 

新着

■コメント
2021/01/14:GB(那識あきら)
2021/01/12:へい
2018/09/07:GB
2018/09/07:冬木洋子
2017/11/30:GB
■トラックバック
2010/09/05:はやぶさが来るよ!

書籍

『リケジョの法則』表紙
『リケジョの法則』
¥647+税
発行:マイナビ出版

電子書籍近刊

『工作研究部の推理ノート 七不思議を探せ』表紙
『工作研究部の推理ノート 七不思議を探せ』
¥550
発行:パブリッシングリンク

更新通知登録ボタン

更新通知で新しい記事をいち早くお届けします