未熟な甲虫の呟き

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カテゴリ「書籍・電子書籍」の記事
2022/03/12
ファン文庫Tears『神社であった泣ける話』に短編を書き下ろしました 
2022/03/10
私の小説が入試問題に使われました! 
2021/11/14
ファン文庫Tears『書店にまつわる泣ける話』に短編を書き下ろしました 
2021/10/16
ファン文庫Tears『横浜・神戸であった泣ける話』に短編を書き下ろしました 
2021/08/18
ファン文庫Tears『アイドルの泣ける話』に短編を書き下ろしました 
2021/07/27
『動物園であった泣ける話』収録「ライオン、子ライオン、孫ライオン」の朗読ブックが販売開始 
2021/06/14
ファン文庫Tears『猫の泣ける話』に短編を書き下ろしました 
2021/04/14
ファン文庫Tears『動物園であった泣ける話』に短編を書き下ろしました 
2021/03/03
『京都であった泣ける話』収録「しづ心なく」の朗読ブックが販売開始 
2021/02/26
お礼小冊子を発送いたしました3 

ファン文庫Tears『神社であった泣ける話』に短編を書き下ろしました

 3/11に発売した『神社であった泣ける話』に、「越えてぞ行かまし八重垣を」という短編を書き下ろしました。

神社であった泣ける話 表紙 お人好しの青年と、降ってきたお守りに絡むちょっとした謎のお話です。
 書誌情報や主な販売サイトへのリンクは、いつもどおりこちらにまとめました。よろしくお願いいたします。

「神社」という興味深いテーマに加えて、今回から規定文字数が増量したこともあって、気合いを入れて神道の本やら神社庁のサイトやらを読み耽ってアイデアを練りましたが、最終的にいつものノリに落ち着きましたね……。
「拝殿」や「手水舎」といった用語がパッと出てこない主人公の語りを書くの、楽しかったです。

 タイトルは、和泉式部の歌をもじっています。 
すさのをの みことをいのる ともなしに こえてそみまし なみのやへかき (和泉式部集 第一)
「越えてぞみまし」のままでもよかったのですが、もっと強い意味を込めたくて、補助動詞の「みる」を動詞の「行く」と入れ替えました。元の歌の視点人物は「すさのをの みことをいのる」とあることから八重垣の内側にいて、外側にいる人間が垣を越えて自分のところに来ることを考えていると思われるため、そのまま「外から内」というイメージを引っ張ってこられたら困る、という理由もあります。
 なんといっても、助動詞「まし」の意味の多様さが、素敵なんですよ。反実仮想に悔恨や希望、ためらい・不安、推量・意志。どうぞお好きなものをお選びください。


 上でもちょろっと記しましたが、今回からファン文庫Tearsはリニューアルで、一人あたりの文字数だけでなく執筆者の人数も増えてボリュームアップしております。
 読み応えたっぷりの全14篇、どうぞよろしくお願いいたします。


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私の小説が入試問題に使われました!

 なんと、『京都であった泣ける話』に書き下ろした短編「しづ心なく」が、私立中学の入試問題に使用されました!

 使ってくださったのは、大阪にある高槻中学です。今年一月に行われた入学試験で、国語の大問1問が丸々拙作を用いての出題でした。
 この短編、文庫本では全部で15ページあるんですが、その4ページ目から最後までがドーンと問題用紙に掲載されました。

 入試問題という重要なものに使っていただけたこと、とても光栄です。
 過去問として来年以降の受験生のお役に立てることも嬉しいです。
 数多ある小説の中からこの「しづ心なく」を選んでくださってありがとうございました。


 ツイッタや拍手で幾つか質問をいただいたので、経緯を簡単に記しておきます。
 著作権法上、試験問題としての複製は許諾を得ずに行える(第36条)ということで、事前連絡などはありませんでした。そもそもそんなことをすれば、試験問題の漏洩が起こり得ますし。
 今回、『京都であった泣ける話』のマイナビ出版さん経由で、学校別過去問題集を出す出版社からご連絡いただき、高槻中学の入試に使われたことを知りました。問題集の出版は、試験が目的ではないため使用に許諾が必要なのですね。

 連絡を受けた直後は、何かの間違いでは????なんて思ったんですが、いただいたPDFに目を通すうちにじわじわと実感がわいてきました。すごい、本当に私の小説だ……「傍線部はどういうことですか。二十字以内で説明しなさい」とかある……間違いなく国語のテストだ……しかもむっちゃボリューミーなやつ……これ本文を読むだけでも大変だったんじゃないかな……。

  筆が遅くて自分でも嫌になることがしばしばありますが、めげずに細部の細部まで魂を込めて書いた甲斐がありました。感無量です。


(2022/9/28追記)
 高槻中学校のサイトにて、今年度の入試問題が公開されていました。
「しづ心なく」はB日程の国語の二問目です。来年春までの公開なので、興味のある方は今のうちにどうぞご覧になってください。
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ファン文庫Tears『書店にまつわる泣ける話』に短編を書き下ろしました

 11/12に発売した『書店にまつわる泣ける話』に、「行きつけの本棚」という短編を書き下ろしました。

書店にまつわる泣ける話 表紙 本屋をこよなく愛する本好きの男子大学生の日常と、過去に刺さった小さな棘の物語です。
 書誌情報や主な販売サイトへのリンクは、こちらにまとめました。よろしくお願いいたします。

 本好きあるある(と思っているもの)を、ぎゅぎゅっと詰め込みました!
 いつもならば一歩引いた少し上空からテキストを俯瞰する感じで書くところなのですが、今回は、ストレートに自分の価値感を前面に出してみました。それこそ、「この主人公、作者じゃね?」と思われても仕方がないかな、と覚悟していますw
 言うて、ブログやツイッタをご覧になっている方には、普段から色々とバレバレだろうと思いますが、ちょっとよそゆき顔で取り繕いつつも、アレコレがだだ漏れになったこの一篇、興味がおありの方はぜひ本屋さんで探してみてください!(って、我ながら大した惹句だな……)

 閑話休題。

 書店が舞台の、心揺さぶる短編集です。短編小説コンテストの受賞作も含めた14篇の物語が収録されていて読み応えたっぷりですよ!


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ファン文庫Tears『横浜・神戸であった泣ける話』に短編を書き下ろしました

 10月13日発売の『横浜・神戸であった泣ける話』に、「一枚の写真」という短編を書き下ろしました。

横浜・神戸であった泣ける話 表紙 神戸北野にて、〈トライやる・ウィーク〉の女子中学生が人見知りな老婦人の手助けをするお話です。
 書誌情報や主な販売サイトへのリンクは、こちらにまとめました。

〈トライやる・ウィーク〉というのは、兵庫県で行われている中学生の職場体験学習です。自治体によって時期は違ってくるらしいんですが、私の観測範囲だと、お店や公共交通機関でジャージ姿の中学生が頑張っているのを見かけると、秋だなあ、という気分になりますね。

 いつもどおり、文字数を節約するために、主人公の一人称で綴っております。中学二年生女子、ということで、文章があまり堅苦しくならないよう、かつ、口語に寄せすぎて落ち着きを失わないよう、苦労しました。とりあえず、自分にとってはいい塩梅に書けたと思います。

 大都市に寄り添う港町、横浜と神戸。住んでいる人も、通勤通学している人も、訪れたことがある人も、訪れたいと思っている人も、楽しめる一冊となっていると思いますので、本屋さんで見かけたら是非お手に取ってみてください。

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ファン文庫Tears『アイドルの泣ける話』に短編を書き下ろしました

 8月17日発売の『アイドルの泣ける話』に、「歌え、歌え、君の歌を」という短編を書き下ろしました。

アイドルの泣ける話 表紙 とある地方の鄙びた漁村にて、町役場職員の青年と、同級生だった女性アイドル歌手とが再会するお話です。
 書誌情報や主な販売サイトへのリンクは、こちらにまとめました。

 表紙に記された「推すことで、救われる」というフレーズを見て、「なるほど、そういう発想が!」と目から鱗を落としました。そうかー、そりゃ、確かに、私のプロットを見た担当さんが「他の方とは全く違った切り口」と仰るわけだ……。なるほどそうかー。
 ま、隙あらば「水産資源」なんてワード出して喜んでいましたからね……どこまでもゴーイングマイウェイな私です。でもこれも個性のうちということで、よろしくお願いしたい……。

 文字数を節約するために今回も主人公の一人称で綴りましたが、本人も明確に言語化できていない感情を上手いこと表現できたんじゃないかと喜んでいるので、良かったら是非読んでみてください!

 アイドルにまつわる、心揺り動かす12篇のアンソロジー。どうぞよろしくお願いいたします。

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『動物園であった泣ける話』収録「ライオン、子ライオン、孫ライオン」の朗読ブックが販売開始

 四月に発売された『動物園であった泣ける話』の朗読ブックが販売開始いたしました!

動物園であった泣ける話[ファン文庫Tears朗読ブック]@マイナビブックス

 上記のリンクは、一冊丸々、全12篇が収録されたものです。
 私の「ライオン、子ライオン、孫ライオン」単体のものは、以下のリンクです。

ライオン、子ライオン、孫ライオン@マイナビブックス

今回「ライオン、子ライオン、孫ライオン」を朗読してくださったのは、わたなべかずひろさんです。
 主人公の男子大学生がぐるぐる悩むモノローグも、調子のいい小学生とのテンポの良い会話も、表情豊かな声で見事に演じ分けておられます。加えて、主人公の祖母や母といった、それぞれ異なる年代の女性の脇役まで! 素敵な朗読をありがとうございます!
「耳」で「読む」朗読ブック、皆さんも是非体験してみてください。
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ファン文庫Tears『猫の泣ける話』に短編を書き下ろしました

 6月11日に発売された『猫の泣ける話』に、「猫と姉さんと私」という短編を書き下ろしました。

猫の泣ける話 表紙 引っ込み思案な女子大学生が、サビ猫をモフモフする物語です。
 書誌情報や主な販売サイトへのリンクは、いつもどおりこちらにまとめてあります。

 猫飼いあるあるを山ほど詰め込むつもりだったんですが、文字数が足りなくて幾つかネタを諦めました……。窓越しに雀に変な声で話しかけるとか、トイレ後のダッシュで椅子の足にぶつかるとか、「だるまさんがころんだ」から我に返るとか……。


 我が家の猫様は元々捨て猫でした。公園の片隅、雑草の生い茂る植木の陰に、きょうだいと思われる他の仔猫達と一緒に段ボール箱に入れられ放置されていたのです。

 その日、近所のご婦人がたが深刻な顔で公園の草むらの中に立っているのをたまたま見かけ、何事かと覗いてみると、前述したような小さな仔猫達がミャーミャー言いながら互いにじゃれ合っていました。黒と白黒とサビの三匹です。状況が分からないまま、私は反射的に「猫だ」と声を上げてしまいました。

「アラGBさん猫好きなの? 飼ったことある?」
「飼ったことはないですが好きですね」
「この子たち捨てられたみたいなのよ。GBさん、飼えない?」
「ハァ!?」
「ウチは賃貸で無理だから」
「私も」
「私は家族が駄目って……」
「いや、でも、私、ザリガニよりも高等な生き物を飼ったことなくて」

 躊躇う理由が経験値だけということを見抜いたご婦人がた、「このままだとすぐに死んでしまう」「可哀想だと思わないか」「飼い方なんて調べたらすぐ分かる」と大攻勢です。ここで首を縦に振らないと人非人認定されそうだし、何より目の前には保護を待っている猫がいる。ねこはいます。ねこかわいい。

 もう一匹茶トラの子もいたが、二日ぐらい前に誰かに拾われていった、とのことでした。つまりこの仔猫達は少なくとももう三日はこの公園でひもじい思いをしているということになります。私が悩みに悩んでいると、黒の子が足に顔を擦りつけてきました。もう無理。こんなん絶対無理。私は腹を括りました。

「じゃあ、この黒い子を連れて帰ります」
 他の子を置いていくのは心が痛みましたが、イキナリ三匹は初心者にハードルが高すぎます。
 そして喝采するご婦人がた。
「なんか無理を言ったみたいでごめんなさいね」
「困ったことがあったら相談してね」
「私も、もう一度家族を説得してみようかな……」

 後日、家族の説得に成功したご婦人が白黒の子を保護したと聞きました。
 最後に残ったサビの子がどうなったのか、残念ながら私は知りません。優しい人に拾われていたらいいなあ、と思ってこの話を書きました。

 猫にまつわる、胸熱くなる十二篇の物語、どうぞよろしくお願いいたします。

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ファン文庫Tears『動物園であった泣ける話』に短編を書き下ろしました

 4月13日に発売された『動物園であった泣ける話』に、「ライオン、子ライオン、孫ライオン」という短編を書き下ろしました。

動物園であった泣ける話 表紙 男子大学生と小生意気な小学生とのほのぼの(?)交流譚です。 タイトルは、早口言葉の「にゃんこ、子にゃんこ、孫にゃんこ」をもじりました。全然早口言葉関係ないけど。
 書誌情報や主な販売サイトへのリンクはこちらにまとめてあります。

 小説本文には記載しませんでしたが、舞台となった動物園は大阪の天王寺動物園です。14年前の園内の様子やライオンの詳細を調べる際に、広報誌「なきごえ」のバックナンバーにむっちゃ助けられました。記録を残してくださりありがとうございます! すごいな便利だなインターネッツ!
 ついでに、「国民的探偵漫画」は『名探偵コナン』を想定してます。私は乱歩でしたが身内の小学生は名探偵コナンで物騒な単語を覚えてましたね。かように読書は人生を豊か(?)にしてくれる……( ˘ω˘ )

 前回参加した『京都であった泣ける話』のあとから、一ページあたり一行増量となったのですが、結局今回も最後の一行まで使い切ることになりました……。
 ストーリー的にはもう少し行数を切り詰めることもできたんですが、主人公の
「は?」
という台詞と
「はァ?」
という台詞だけは、それぞれ独立した行で書き記したかったんですよ。どうしても。
 推敲中に、これらの台詞下部に存在する空白がものすごく恨めしかったんですが、他の箇所の文章を圧縮することでなんとか最後まで死守しました。縛りプレイにもほどがあると自分でも思います。

動物園が舞台の心にしみる十二篇の物語、どうぞよろしくお願いいたします。



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『京都であった泣ける話』収録「しづ心なく」の朗読ブックが販売開始

 一月に発売された『京都であった泣ける話』、朗読ブックが販売開始いたしました!

京都であった泣ける話[ファン文庫Tears朗読ブック]@マイナビブックス

 上記のリンクは、一冊丸々、全12篇が収録されたものです。
 私の「しづ心なく」単体のものは、以下のリンクです。

しづ心なく@マイナビブックス

 今回「しづ心なく」を朗読してくださったのは、WAKASAYURIさんです。一人称の地の文の語り、快活な女子、おとなしい女子、元気な男子、お調子者な男子、といった中高生達を見事に演じ分けてくださいました。スゴイ! 素敵な朗読をありがとうございます!!
 是非皆さんも聞いてみてください。
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お礼小冊子を発送いたしました3

 ファン文庫編集部さん宛てに、今年も年賀状をいただきました!!ありがとうございます!!
 お礼に掌編を書き下ろして、先日発送いたしました。編集部経由でお届けいたしますね。

 アンソロ含む全既刊に加えて製本版九十九までお持ちということでしたので、いつぞやのツイート、

製本版をお持ちで手作り感満載コーティングカバーを希望される方は、私とリアルでエンカウント(ファンレター含む)した際に差し上げますので遠慮なくお申しつけください。 って、これ今思いついた話ですので、今までにお会いした(やり取りがあった)方をスルーしてたわけじゃないですすみません。
posted at 2020/4/12 15:03:10


 に記したとおり、お手製カバーもお付けしました。
 このページの下部にあるカバーをネットプリントでB4カラー印刷、ブックコート用フィルムでコーティングして、本のサイズに合わせてカッターで切る、という家内制手工業です。公共図書館でも使用している防水&紫外線カットのフィルムですので、防御力アップ間違いなし。銃弾も四巻重ねたら絶対防御できますね!(それはカバー関係ない)

 カバーを作った勢いで、お礼掌編も九十九の黎明の番外編にいたしました。最初は葉書サイズに収めようと思ったんですが、書いているうちに3000字を超えちゃったので小冊子にしました。

九十九小冊子
九十九の黎明 番外編「きっかけ」

 本編が始まる十五年前の春の出来事です。本編で名前だけ何度か出てきたあの人がごーいんぐまいうえーしています。やー、一癖も二癖もある人間を書くのは楽しいな!!
 年賀状の差出人様にも、楽しんでいただけますように!

 また四月には『動物園であった泣ける話』も刊行されます。他にも地道にもぞもぞ頑張っておりますので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします!
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書籍

『リケジョの法則』表紙
『リケジョの法則』
¥647+税
発行:マイナビ出版

電子書籍近刊

『工作研究部の推理ノート 七不思議を探せ』表紙
『工作研究部の推理ノート 七不思議を探せ』
¥550
発行:パブリッシングリンク

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